「私なんて、生きていても仕方ないの?」

※ 本記事の内容は「ほんわか倶楽部」における傾聴カウンセリングの場面において、特定のクライエントさんの事例ではありません。

公開許可された範囲内から、複数の方の内容を踏まえてリミックスされた独自記事となります。

 

○ 誰も信じてくれない・信じられない…

 

「大々的なニュースになってしまうような事件を起こしてしまったのは私だし、治ることのない難病だって抱えてるしね…」

「家族だって、親戚だって、友達も、ダンナも息子たちも、みんな離れていったよ…」

「新しい職場では、ずっと直接的なハラスメントばかり受けているし、誰も助けてくれない。こんな私だからね…」

「帰りたくもない、小さなアパートに戻ったら、暗くて、電気を付けても…」

「借金まみれになっちゃったし、なんで… 生きているんだろう…」

 

哀しくなって、無力感も感じて、虚しくて仕方ない…

ただ、そこに座り込んで、明日に怯えて嫌で嫌で仕方ない…

苦しくて… ただ、苦しくて…

ただ、ただ、本気で傾聴してくれるという人に電話して、全部を話してぶつけてみたけれど、すぐに明日が変わるわけでもないし…

でも…なぜか…

本気で受け止めようとしてくれるのは感じるし、話しているうちに嗚咽泣きしてしまって…

 

「やっと…」

「… …」

「ちゃんと…」

「聴いてくれる人に…」

「繋がったぁ…」

 

激しい嗚咽泣きの中で、すぐには聞き取れなかったのですが、心底、このように伝えていただいたことは、今でも何度も思い返されます。

 

○ 暗く重たい孤独から…

 

最初は、どうしようも出来ない現実の孤独に呑まれ続けて、本当の本気で「自殺をします」と、暗く重たく、強い決意すら感じられてしまう声で、私に具体的にお話しされていた場面もありました。

ときには例外的に、傾聴カウンセリングの範囲ではない対話もしてきましたが、今はどなたも穏やかに過ごせています。

 

  • 連絡すら取れなくなったけど会いたかった長男と、また暮らせるようになった方

  • 執拗なハラスメントの環境から離れられた方

  • 難病はあるけれど、自分にとって穏やかに過ごせる環境に移れた方

  • etc…

 

人によっては、いくらかは大変でも「そんなに困難なことなの? 私なら…」って思われる方もいるかもしれません。

人によって想像だけでは、けっして分からない状況もあったりします。

ここで全ては書ききれませんが、どのようなプロセスを辿ったのか、その触りまででも触れられればと思います。

 

○ 内側からの欲求力を…願って…

 

どん底のさらにどん底に感じられていた状況から、灯火が感じられる日々を創れたのは全て、ご本人の自助努力に他なりません。

他なりませんが、誰がどう見ても、決して容易ではなかったと思います。

その内側からのパワーを生み出して持続させようとしても、何度もくじけそうに…

いえ…独りでは到底、耐えきれなくて、涙に打ちひしがれて…動けない…

そんな暗闇の中で、ひとりポツンと…閉じ込められた感覚で…

 

私がさせていただいたのは、そこに小さい風穴を開け続けるまでの「非指示的」な関わりだったように思います。

「非指示的」ですが「支持的」な関わりです。(※末尾に補足)

 

そのプロセスのイメージは、以下のようなものではなかったかと私は感じています。

ガッシャーンと、まるで視えない分厚い鉄格子の扉で閉じ込められる心境を、ほんの少しでも良いので想像してみていただけるでしょうか?

疎外感・孤独感、みじめさが極まりないような状態ですので、ほんの少しでも結構です。

 

そのようなところから、少しずつでも潤滑油が入ってくるかのような時間の中で、「じわり、じわり」とした変化がありました。

(「潤滑油」とは何一つ提案をすることではなく、心底、受け止められてこそ始まる流れがあります。)

 

時間を重ねていくうちに、ギギッと歯ぎしりしそうな聞きたくない音が感じられてくる…

凍っていて感じられていなかった、歯ぎしり…

辛くて…辛くて… 開けられなかった扉… 踏み出すことへの怖さ…

なんで私だけ… なんで… 

分かっていても思ってしまう、悔しさ… 理不尽さへの怒り…

 

○ このままでは「死に切れない…」思い

 

でも… でも…

今からだって私は… したいことがある…

長男に会いたい… 穏やかに暮らしたい…

もう苦しめられたくない…

でも… どうすれば… 踏み出せない…

 

内側の奥にあった、本当の本当に願っている思いへの小さな一歩すら、尋常ではなく大変な場合だってあります。

尊厳なんて、まるでないかのような侮辱を受け続けて耐えられる方は、どこまでいらっしゃいますか?

元々は明るくて活発だったのに、抑え続けられて、利用され続けて…吸い取られて…

そんな非現実的な、何かのドラマや作品以上のプロセスであっても、現実です。

 

少し触れるだけで、傷つき続けた痛みが、ぶわっとぶり返すときだって、何度もありました。

まるで、その声から血が流れているように感じられた時も… 

呼吸を整えるよう意識しながら、ひたすら、ご一緒しました。

私は、私が走馬灯を観ていた、あの時、「これだけはしないと、死んでも死に切れない…」がなければ死んでいた(戻って来れなかった)だろうと、確信して感じた場面を、彷彿と思い返しながら…

 

もし、もし…

その辛さを、どこまでも深く一緒に本当に受け止めてくれる人がいるのなら、どうなるのでしょうか?

それだけで都合よく現実問題が解決するわけではないとしても、すべては心の動きから始まっているのではないでしょうか?

心での関わりが本当に近づいていけば行くほど、歩けなくても、まずは内側の扉はギギッ…ギギッ…と不協和音を立てながらでも、少しずつ開けていくときがあります。

ただ真剣にお聴きすることも大事ですが、話してスッキリするだけで、どうにかなるわけではない状況だってあります。

それだけでは辿り着けない、とんでもない、今からの人生が変容していく、映画以上にドラマティックな現実の場面の連続です。

 

○ 風が入れていけますように…

 

この積み重ねで…

「村田さんが言っていた「傾聴」って、何なのか(当事者感覚で)分かってきたような気がする」

「心の声を聴いていくって、思っていたより、ずっと大事なんですね… すごく…」

…と、自然と笑顔になりながら話していただいたときは、いくらか解放に向かっていけているように感じられました。

飛行機のように飛び立つ前にたくさんの距離の滑走は要したとしても、それからの展開は早かったように思えます。

 

私がセッション中に「傾聴カウンセリング」について語ったわけではありませんが、終わってからのフリートークになったときに少しだけ触れた話や、どこかで書いたものを観ていただいていたようです。

そして、私からは「ご自身で、ご自身の心の声を、少しずつでも聴いていけますように願っています」という思いを、終盤に向かっていく辺りでお伝えさせていただいた覚えがあります。

つまり、依存は一時的にあったとしても、その過程を経てからでも、自分だけは自分の味方で居続けられるような、言葉だけではなく心底からの感覚で、そう願っている思いです。

心の声を聴きながらのセルフヘルプの様々を、もっと広めていきたいと、そのために私は生きていくと決めています。

 

○ お元気でいますか?

 

沢山の思いや気持ち、生涯、忘れられない様々なリアル場面と、誰にも聴いてもらえなかった、ありありとした心を共有していただいて、本当に心から感謝しています。

皆さま、今も穏やかに、自然に出てくる笑顔で過ごせていらっしゃるでしょうか?

ずっと、私は祈るような気持ちでおります。心底から…

私自身も様々な場面があり、自分でも予想していなかった喪失も痛みも経て、たくさんの癒しもながらの変化もしてきました。

おかげ様で以前より、より聴きやすくなったとも感じております。

 

もし、いつかまた… 

辛い話でも、そうではなくて楽しい話でも、どんな話でも…

「感じるままをお話ししてみたい」というときがありましたら、私は今の私で、いつでも全身で聴かせていただきます。

いつまでも、心穏やかに楽な気持ちで、今ここを味わえて過ごしていただけますように…

 

 

○ 付随内容

 

(※)傾聴ですが、単なる傾聴ではなく「傾聴カウンセリング」です。

「傾聴」というと、ただ真剣にお聴きするだけと誤解されている方もいらっしゃるかもしれませんが、決して、そんな程度のものではない関わりです。

文面だけでお伝えしきれるものではありませんが、少しずつ、その触りでも別の機会に記していきます。

とてもざっくりとですが、どういったものかと言えば、傾聴の中に非指示的な複数のカウンセリング・ジャンルの要素を、まるで傾聴しかしていない体(てい)で、具体的に入れ込む展開プロセスです。

 

 

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