多くの人が、「憎むことはいけないこと」と教えられきたと思いますし、このこと自体は、とても大事なことだと思います。
「闇は闇で消せない。光だけがそれを可能にする」という、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏(キング牧師)のとても有名な言葉、私はとても大切に記憶しています。
他にも、どこが由来かはハッキリとは分かりませんが、「止まない雨はない」・「明けない夜はない」という言葉もありますね。
それはそれで、その通りだと思います。
どのような状態からでも希望を、ビジョンを持ち続けられれば開けることも多数あると言えます。
これらは、あたたかく真っ直ぐな愛情に包まれてこられた方・包まれている方や、前方を強く見据えられている方には、きっと違和感なくスッと入りやすいでしょう。
ですが、例えば、機能不全家族の中で育てられたり、理不尽で不条理な扱いをされ続けてきて、そのスパイラルの渦中にある人間には、言葉のナイフとして突き刺さってしまうことが少なくありません。
無理に「赦(ゆる)さなければ ” ナラナイ “」・「そう” すべきだ ” 」、「憎んでいるあなたはダメだ」というマウンティングになってしまいかねない、両刃の剣のようなものです。
マウンティングとは、上から全体重をかけて、相手の動きを封じる姿勢が、私には思い浮かべられます。
(そのようなつもりの有る無しに関わらず)
強い否定の押し付けとなってしまう、ココロの呼吸困難となる関節技でロックするような抑圧です。
呼吸ができなくて生きていける人はいませんし、誰かの自己満足の消費などのために、人は存在しているのではありません。
マウンティングしているほうは自覚が足りていないことも多いまま、もしかしたら、優越感の自己陶酔なドヤ顔で気持ち良いのかもしれません。
まるで正論を振りかざすかのような、それらは、時に、一方的に相手を自己満足で消費しようとすることになってしまうこともあるのが、視えているでしょうか。
それが親であれ、家族であれ、恋人であれ、友人であれ、どのような関係性であってもです。
人間の生きてきた、その旅の道程の内にあるものは、そう簡単に他者に分かるものではないでしょう。
頭で考える前に肌感覚でピンと来なければ観えていませんし、どうこうしようという思惑などで、むやみにほじくって消費して良いものではないと私は思います。
そもそも、憎むことは良くないこと、それは誰しも分かっていることです。
名言じみた言葉だって、聞いたことがあったり知っていることでしょう。
憎むこと自体、決して心地よいものではなく、ドロドロしたどす黒い気持ち悪いものなのは、誰しも同じです。
深い深い、まとわりつく排気ガスのような、ねっとりしたダークグレーの空気は、まるで、晴れることなどない悠久の闇にすら感じられてしまう状態というものもあります。
そんな空気を望んでいたわけでもないのに、分かっていても、ダメだと思っていても憎んでしまう……。
その感情を辛いまま否定せずに、少しずつでも見つめ続けて、でも、とことんココロの中で憎んだから……。
その先の先で初めて…、少しずつ許せるようになる、囚われから少しずつ自由になっていくという姿もあります。
もちろん、憎むにしてもリアルの攻撃などに転じないように、” 安全な場所と方法で ” 出せることが肝要です。
リアルな攻撃とは憎しみの対象だけでなく、自分自身に対してもです。
深淵を観るあまり、その波に呑み込まれて、自分を痛めつけたい衝動に強く駆られるかもしれません。
自らが怪物に堕ちないように、自らの生命の価値をもう一度、信じていただけますように……。
その感情を醜いことと判じたり、イケナイコトと蓋をして排除すること自体が、逆効果に定着させてしまうことだと私は感じます。
「話すことは、手放すこと」とも言いますが、それは否定も判じることも、裁きもしない相手に限って話すことによります。
「わかるよ」なんて、間違っても簡単に言えることではなく、心から寄り添って、共に漂う時間を共有する相手。。。
そっと寄り添い、” 安全な形で解放させ続ける ” ことで、少しずつでも……。
でも確かに、消化して昇華させていっていただけますように……。
自らを信用して安全に解放させるための、小さな小さな一歩を否定せずに踏み出せていただけますように……。
「正しい自分」より「優しい自分で」
この拙文章を他で公開したときに、暖かいコメントをいただきました。
その中で私の中に、とても残った言葉の1つです。
ネイティブ・アメリカンの有名な言葉からー
「あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。だから、あなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい」
少しでも、このように生きたいね^^
~ 親愛なる娘へ
きみが生まれてきてくれた時のこと、思い出さない日は本当にないよ。
涙が出て止まらなかった、あの時…。
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