言葉の混同が生む生きづらさ

ここでは承認欲求と、言葉の混同について触れてみます。

まず、承認欲求に影響されやすいと、以下のようなメリットとデメリットが考えられます。

承認欲求には、人間関係を円滑にしてモチベーションを高めるというメリットがあるものの、過剰に依存してしまうと、自己肯定感が不安定になったり、ストレスが溜まったりするデメリットもあります。バランスを取って、適切に承認を求めることが大切ですね。

 

メリット

  1. 社会的なつながりを深める

    他者からの承認や評価を求めることで、周囲との関係が強化されることがあります。
    積極的にコミュニケーションを取ったり、協力し合ったりすることができたり、社会的な絆が深まります。

  2. モチベーションの向上

    承認を得ることで自信ややる気がアップし、目標に向かって努力しやすくなります。
    他者の期待に応えようとする意欲が刺激され、結果を出すために頑張ることができます。

  3. 自己認識の改善

    承認を求めることは、自分の強みや長所を再確認するきっかけになることがあります。
    他者からの評価を受け入れることで、自分自身をより良く理解できる場合もあります。

デメリット

  1. 自己価値(人生観)の依存

    他者からの承認に過度に依存すると、自分の価値(人生観)を他人の評価に委ねることになります。
    この場合、他人の意見や評価に一喜一憂し、自己肯定感が不安定になります。

  2. 自己表現が制限される

    承認を求めるあまり、自分の本音や個性を抑え込み、周囲に合わせてしまうことがあります。
    これにより自己表現が制限され、他者に過剰に迎合してしまう可能性があります。

  3. ストレスやプレッシャー

    常に他者の期待に応えようと無理をしてしまい、ストレスが溜まることがあります。
    また、過剰に承認を求めることで自分にプレッシャーをかけ、疲れ果ててしまうことがあります。

  4. 人間関係のトラブル

    承認欲求が強いと、周囲との競争心や嫉妬心が生まれやすく、人間関係に陰りや亀裂が入る場合もあります。
    他者の承認を過度に求めるあまり、周囲との調和が取れなくなる可能性があります。

承認欲求に影響されやすい場面では、いくつかの概念がしばしば混同されがちです。

言葉の混同の一例を考えてみます

 

共感と同感

  • 共感: 他者の感情や立場を理解し、共鳴すること
  • 同感: 他者の感情を自分と同じように感じること
  • 違い: 共感は相手の立場を理解し、寄り添う行動であり、同感は感情の共有です。
    過度に同感すると自分の感情が影響されることがありますが、共感は冷静に距離を保ちながら相手に寄り添うことです。

素直と従順

  • 素直: 自分の考えや感情に正直であること
  • 従順: 他者の意見や指示に従うこと
  • 違い: 素直さは自己表現の自由を意味し、従順さは他者への服従です。
    従順でいることが必ずしも良い結果を生むわけではなく、素直でいることが重要です。

謙虚と抑圧

  • 謙虚: 自分を過小評価せず、他者の意見を尊重すること
  • 抑圧: 自分の意見や感情を押し殺すこと
  • 違い: 謙虚さは自信に基づいており、抑圧は自己表現を制限することです。
    抑圧すると感情が溜まり、心のバランスが崩れる可能性があります。

正直と乱暴

  • 正直: 自分の意見や気持ちを隠さずに伝えること
  • 乱暴: 言葉や態度が過度に直接的で、他者を傷つけること
  • 違い: 正直さは誠実さに基づき、乱暴さは無神経さです。
    正直に伝えることは重要ですが、相手の感情も考慮することが必要です。

調和と迎合

  • 調和: 異なる意見や価値観を尊重し、バランスを取ること
  • 迎合: 他者の意見や期待に無理に合わせること
  • 違い: 調和は共生を目指すことですが、迎合は自己を犠牲にして他者の要求に従うことです。
    迎合を続けると、自分を失うことになります。

    過去記事『「調和」と「迎合」のチガイ』

配慮と自己犠牲

  • 配慮: 相手を思いやり、状況に応じて行動すること
  • 自己犠牲: 自分を犠牲にして他者を優先すること
  • 違い: 配慮はお互いにとってのバランスを考えますが、自己犠牲は過度に自分を犠牲にすることです。
    自己犠牲を続けると、心身が疲弊してしまう可能性があります。

これらの概念は本来異なる意味を持っていますが、教育現場では充分に学ぶ機会が少なく、誤解されがちです。

例えば、
「正直でいること」が「何でもズバズバ言うこと」になったり、
「配慮すること」が「自分を犠牲にすること」になったりすることがあります。

このような混同がストレスを生み、視野を狭める原因になります。

自信と過信

  • 自信: 自分の能力や価値を信じること
  • 過信: 自分の能力を過大評価し、限界を無視すること
  • 違い: 自信は現実的な自己評価に基づいており、過信は過剰な自己評価につながります。
    過信は失敗を招きやすく、謙虚さを持つことが大切です。

優しさと甘さ

  • 優しさ: 他者に思いやりを持ち、助けようとする姿勢
  • 甘さ: 他者に厳しさを欠き、相手の悪い面を見逃すこと
  • 違い: 優しさは相手を尊重する態度であり、甘さは相手を甘やかすことです。
    優しさを持ちながらも、必要な時には厳しさを持つことが求められます。

独立と孤立

  • 独立: 他人に依存せず、自分の力で物事を成し遂げること
  • 孤立: 他者とのつながりを断ち、孤独に暮らすこと
  • 違い: 独立は自己実現に向かう積極的な行動であり、孤立は社会的なつながりを断つ消極的な状態です。
    独立は成長を促しますが、孤立は精神的に負担となることがあります。

感謝と義務感

  • 感謝: 他者の行為に対し、心からのありがたみを感じること
  • 義務感: 他者の行為に対して、感謝の気持ちを持たず、義務的に行動すること
  • 違い: 感謝は心からの思いやりに基づき、義務感は義務的に行動することです。
    感謝の気持ちがあると人間関係が深まりますが、義務感だけでは疲れが溜まりやすいです。

自由と無責任

  • 自由: 自分の選択に基づいて行動し、自己決定すること
  • 無責任: 自分の行動に対する責任を持たないこと
  • 違い: 自由は選択に対する責任を伴い、無責任は他者に結果を押し付けることです。自由には責任が伴います。

人間関係の距離感と無関心

  • 人間関係の距離感: 適切な距離を保ちながら、相手と関わること
  • 無関心: 相手に対して関心を持たないこと
  • 違い: 距離感を保つことは、相手を尊重して良好な関係を築くことですが、無関心は関係を希薄にして冷たくなります。

これらの概念を正しく理解し、適切に使い分けることが大切ですね。
それぞれの意味と違いを知っておくことで、ストレスを減らし、より良い人間関係を築くための一助になるのではないでしょうか?

 

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