影響を与える側としての立ち位置に想う

本記事の末尾にてリンク先を記した『「死ぬこと以外かすり傷」ではかなわない』(記・小田嶋 隆)を観て、多少、触発されましたので書き留めておきます。

・・・

かつて私は社会人になって最初に勤めたのが、日本三大出版社のうちの一社における、とある編集部でした。

そこでは個性的な先輩も多く面白くもありつつ、マスコミ、それもマンモス会社に長くいることで定着化された言動の端々に感じられる驕りの意識も、まだ場馴れしていなかった新人だった私には随所に感じ取れたものでした。

学生時代からフリーで動くことを目指して、勤め仕事はそのための社会経験と考えていた私には、その社内意識・業界意識にモヤッと感じることも少なくなかったことを、同記事(下部)を観て思い出しました。

その後、紆余曲折の時を経て、小規模出版社の論説委員や外部役員をしていた時期にも、出版業界の裏表に多少は触れてきましたが、この業界も有形無形にイノベーションが強く必要と言える界隈ですね。

「ペンは剣より強し」をまるで黄金律のように振り回そうとも、時代が移り変わる中で人々の価値観や有り様も変わり、視点も進化していくことは、とても意義の深いことです。

そのような中、前世紀の遺物とも言える殿様意識は嫌煙されるものに他ならないことを、本当に真摯に考えなければ、偏向のスパイラルのまま沈没していくようにも私には思えるのです。

「知る権利」や「言論の自由」の前に「基本的人権の尊重」や「公共の福祉」の尊重、一人ひとりの人間の「幸福になる権利」を阻害しないことなど、当然過ぎるぐらい当然のはずのことが意識からしてないがしろにされている空気感。

拝金主義のための長いものには巻かれろ意識によって、声にならない声を嬉々として潰すかのような集団意識。

この狭間に生きる業界の方々は、その有り様のイノベーションを求められて既に久しいものですが、どこまでも逃げようとも誤魔化そうとも、抑圧しようとも、決して消えるものではないのです。

逃げれば逃げるほど墓穴になると……、誰かを糾弾する記事には意気揚々と書いたとしても、「自分たちは社会正義の代弁者」・「自分たちだけは許される」かのように独善的・偏向的に思っているのなら、それは大きな間違いでしょう。

唯一無二である他者の尊厳はもちろん、時代の変化を決して甘く観ないほうが、ココロから心地よく楽しめるというものです。

 

——-(『「死ぬこと以外かすり傷」ではかなわない』(記・小田嶋 隆)より抜粋・以下より)

 「死ぬこと以外かすり傷」
 という言葉を自らのキャッチフレーズとして掲げて活動している編集者がいるのだそうだ。

 思うに、この言葉は、自分自身を叱咤してエンカレッジする意味もあるのだろうが、実質的には、他人をぞんざいに扱うためのイクスキューズとして機能しているはずだ。

 翻訳すれば
 「殺人以外は軽犯罪」
 「殺さなければ無問題」
 てなところだろうか。

 こんな態度で編集をされたのではかなわない。

 わたくしども書き手は
 「かすり傷でも致命傷」
 「軽んじられたら死んだも同じ」
 といった感じの不遜な繊細さで世の中を渡っている。

 そうでなければ原稿なんか書けない。

——-(『「死ぬこと以外かすり傷」ではかなわない』(記・小田嶋 隆)より抜粋・以上)

参照元: 日経ビジネス掲載記事

『「死ぬこと以外かすり傷」ではかなわない』(記・小田嶋 隆)  

 

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