御用聞きばかりが重宝されるとは限らない

スマートフォンが世に出てくる前から、スマートフォンのようなものが欲しいと思っていた人は、どれほどいらっしゃるでしょうか?

これは御用聞きばかりに留まらず、もっと広い視野で、深いところでのユーザー欲求に照らし合わせて生まれた来たものだと言えるでしょう。

電話機能や、ちょっとしたメモやメール機能ぐらいのガラケーに留まらず、スマートフォンには簡易的なパソコンのような機能、さらにはスマートフォンならではのたくさんの機能がありますね。

最初は「ガラケーに比べると分かりにくい」と使い方に戸惑ったとしても、例え高価であっても、いまや手元にあって当然の必需品として手放せない方は大勢いらっしゃいますね。

スマートフォンに限らず、このようなものは、どういった視点から生み出してこれるのか?について、今回はマーケティング用語から徒然に綴ってみます。

ポイントは「相手軸」と「自分軸」、そのどちらかでもなく、両方を融合させて活用することにあります。

 

聴こえる声だけが全てではないから

 

顧客の声をヒアリングして、顧客の声に基づいて望まれるものを提供する「マーケットイン」ばかりが、もしかしたら、正論かのように思えるかも知れません。

顧客が欲しいと意識しているものを提供するのだから、ハズレが少なく安全な方法ですね^^

たしかに安全性の高い方法ですし、顧客のニーズも把握せずに商品やサービスの開発をしてしまうことほど、リスキーなことはありません。

このマーケットインの手順を最初に行なうことは、私も推奨し続けております。

なお、この「マーケットイン」は、作り手が創りたい物を創って提供する「プロダクト・アウト」と対比して使われることがあります。

プロダクト・アウトだと独り善がりになりやすく、ビジネスとしてはリスキーという視点ですね。

ですが、マーケットインだけが正しいなどと思い込んでしまっては、いささか浅慮ではないかと思えます。

マーケットインの視点だけに留まっていては、スマートフォンは生まれてこなかったのではないでしょうか。

人が「スグに欲しい」と口に出して他人に言えるのは、「自覚や意識ができている」顕在的な欲求や願望に限られやすくなります。

人は顕在的な欲求よりも、潜在的な欲求のほうが多くあると言われますが、その多くは意識されていないのが大半と言えるのではないでしょうか。

まぁ、だから「潜在的」なのですが…。

そこを見い出せているかどうかです。

後述していきますが、そもそも「プロダクト・アウト」にしても、ただ作り手が創りたいものだけを創るという意味ではないはずです。

一個人の職人さんで頑固一徹のケースならあり得るかもしれませんが、それだけではモノによっては生活していけなくなる懸念も伴うかも知れません。

ましてや、起業家や企業家においては、ユーザーのニーズやウォンツを踏まえないなどあり得ないことで、淘汰の憂き目に遭ってしまうのではないか、というリスキーで残念なことです。

(ここで言う「ニーズ」とは、単なる「必要性」という直訳ではな「差し迫った必要性」ということであり、「ウォンツ」も単なる「欲求」ではなく「抑えきれない欲求」という意味になります)。

 

私たちは…「知っていることしか知らない」から…

 

例えば、かつてのテレビもウォークマンも、手軽に使えるパソコンも、いまで言えばスマートフォンすらも、それが出てくるまでは「欲しい」なんて思えたでしょうか?

見たことすらなくて想像すらしていなかったら…「欲しい」なんて言いようがないですね^^

なんとなく「四角い箱の中で、遠くで撮影した映像が映し出される機械があればいいなぁ」と願うことは、もしかしたらあったかもしれません。

しかし通常は、見たことも聞いたこともなければ(概念すらなければ)、なかなかイメージはできないわけです。

プロダクト・アウトによって得られている恩恵は、モノに限らず、サービスにおいても言えることです。

かつて私たちが想像すらしたことがなくて、すでに今は欠かせなくなっているサービスには、何があるでしょうか?

例えば、いまは当たり前に使っている「使い放題のインターネット」のインフラでしょうか?

これすらも日本に普及する以前から、すでにアメリカなどではあったものらしく、日本では国家政策の絡みもあり導入されるのが随分と遅れたとは、かつて私が通信業界にいたときに聴いた話です。

昔のインターネットは使い放題なのは深夜のみで、日中は従量課金制でしたね。

当時、アメリカの強行的な後押しのようなものがあり、渋々、日本でも開放されていったそうですが、インフラが普及するほどに、私たちの生活への影響も大きく変わって…久しくなりましたね。

ずっとずっと昔、インターネットが世間に出てくる前には、軍需の世界で使われていた技術だったと聞いたことがありますが、そのようなものが私たちにも日常的に使えるようになるとは思いもしなかったわけです。

このことも大きな視野で観れば、国レベルでのプロダクト・アウトだったとも言えるのではないでしょうか。

 

鷹の目を持つ

 

聴こえている声だけが全てではないということには、マネジメントやコンサルティングにおいても通じる視点があります。

もし、視えていない段階での視点にばかり同調していたら、先に進むマネジメントは出来ませんし、コンサルティングにおいても同様で、それでは本質的な成長や発展は望みにくくなるでしょう。

イノベーションが必要であり、それを望むのでしたら、鷹の目のようにミクロとマクロの両方の視点が求められるところです。

 

 

集客施策においても「見込み客を育成する」というプロセスがあります。

このことは潜在的な欲求が明確化していないターゲットに対して、価値を価値と感じていただけるようにステップに応じたガイドをご提供するアプローチを続けるというスキームです。

特にターゲットに、しっかり認知されていない価値をアプローチする際には、この育成のステップが普及の明暗を分けるものになります。

ここでマーケットインだけで視て、「○○なんて、今までなかったし信じられないから」というコトバだけに同調していたら、「○○」は永久に日の目を見ないことになりますね。

 

視えていなかった暗闇の先に

 

新しい価値を創り出して提供していくとは、今まで暗闇のようになっていたところに、灯火を当てていくようなものとも言えます。

灯火が当たっていくと、初めて視えるようになってきます。

このように新しい価値を創造するためには、提供者主導で発明・開発・普及を進めていく「プロダクト・アウト」も必要不可欠と言えるわけです。

そうして、このプロダクト・アウトによって進化した新メリットを、私たちは多く享受しています。

以下のページでは…

“「マーケットインは顧客の顕在化したニーズに応えるもの」、「プロダクトアウトは顧客がもっているが顕在化していないニーズに応えるもの」”

…と説明されており、「顕在化していない」とは「潜在的な」という意味と読み取れます。

これは…

“前者は顧客の事前期待に応えるもので、後者は顧客の事前期待をはるかに超えるか良い意味で裏切るもの”

…ということです。

顧客の予想をはるかに超えて、今までになかったような喜びという価値を与えられるのであれば、今まで御用聞きばかりをしていた人たちは、一瞬で太刀打ちできなくなってしまうかもしれません。

マーケットは常に、声にならない潜在的な欲求が埋もれていると考えられて、それらを掘り出してイノベーションしていこうとする人間にとっては、原石がたくさんある宝の山のようなものです。

 

どちらかのみという視点ではなくてゴールを観る

 

そもそも、この2つのアプローチ・プロセスは対比するというよりも、ターゲットに提供したい価値ゴールの設定に基づいて、適切なプロセスであれば良いということになります。

アプローチ・プロセスとしては、マーケットインもプロダクト・アウトも融合されて使われることも少なくありません。

例えば、ユーザーリサーチをして表面化している欲求や願望は聴く(マーケットイン)けれど、それを上回るサービスなり商品を開発(プロダクト・アウト)して提供するという流れです。

御用聞きのようにするだけではなく、その内容もカバーして、より大きな期待以上の価値を提供・提案するということです。

提供する価値が、顧客の近い将来的ニーズとウォンツを深く捉えているゴール設定であれば、独り善がりになる可能性は低くなります。

もし、独り善がりになるとしたら、それはアプローチ方法というより、そもそものゴール設定からしてズレている可能性が大きいと予想します。

ズレているということは、どこかで近視眼的な「自分軸」に偏っているということであって、ターゲット・ニーズのヒアリングやリサーチを始めとした、「相手軸」に対する裏付けが甘い結果でしょう。

もしくは、ターゲットそのものは別の属性のターゲットだった、ということかもしれません。

スマートフォンで言えば、フルスペックで高機能な機種は、ガラケーでもいいよ、ガラケーしか使えないという方はメインターゲットではありません。

ターゲットになったとしても、機能が基本的なものに絞り込まれた、簡易版のスマートフォンなどであり、それはサブターゲットの位置づけと考えられます。

(「属性」とは… 年齢や性別・タイプ・志向・差し迫った必要性の種類・抑えきれない欲求の種類などなど、様々な要素が考えられます)。

つまり、潜在的な欲求はあるものの、それがガーゼのように薄かったり、あまりにも遥か彼方に遠いのならば、ターゲット設定を改善していくことで開かれていきます。

例えば、アルコールも飲めない子どもに対して、大人の隠れ家バーの癒やしサービスは、まるで早すぎるみたいなものかもしれません。

飲酒は二十歳になってから!

 

ミクロとマクロを行き来する

 

アタマの中の想像だけではなくて、ちゃんとアンケートやリサーチを取ったとして、その内訳を聴くと、ずいぶんと範囲が限られていることが、たまにあります。

ターゲット属性に合っていたとしても、限られた範囲の限定されたヒアリング結果(分母が少なすぎる)や、ましてや、ターゲットですらない身内のヒアリング結果(分母にすらならない)などでは、指標になりえません。

そのような身内の範囲だけではなく、客観的指標となる社会背景(問題・課題)を踏まえて…

かつ、充分で広範囲なリサーチ分析結果を持って、細やかにビジネスモデル・デザインをしていく「相手軸」に根ざしたプロダクト・アウトならば…

それはモデルの中身次第で、ターゲットにとってパラダイム・シフトにもなり得る可能性が高くなっていくでしょう。

その上で、現実化に研ぎ澄ませていくほどに、オンリーワンへとなっていきます。

随分ざっくりと書いてみましたが、これらを創り出して、研ぎ澄ませていくには、一つ一つに具体的なステップがあります。

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