がんばれば、がんばるほど ・・・ ぬくぬくになっていく ” ぬく太郎 “さん。
がんばれば、がんばるほど ・・・ カラカラになっていく ” から太郎 “さん。
二人とも、同じ学校を出て、仕事先として選んだ会社も同じ。 プライベートも同じような環境(家庭・人間関係)という、まるで、くされ縁のような関係でした。 仕事のスタートも、公平な条件で差のないスタートで始まりました。 入社時のスタートアップ研修では、二人とも「お客様のために考え続ける・学び続けることは、実に大事」と発言しました。 二人は、珍しいほどのくされ縁も相まって、一見、意気投合したかのように見えました。
「学びや実践の結果は保証されていないから」
ぬく太郎さんの考え方のクセは、成長や前進をするために「前進するために、どうすれば良いか?」でした。
から太郎さんは何かにつけて、「だけど・・・」でした。
から太郎さん
から太郎さんは、何かと心配を優先したり、即物的だったりしました。
目に見えるものしか見ようとせず、心配や疑心暗鬼が根強く、説明を受けても忘れてしまいます。
そうして思考停止して、目先のことばかりに目が行って、毎日が過ぎていく。
段々と口をついて出てくる言葉は・・・
この手の、もっともらしい?セリフが多くなります。
一方、ぬく太郎さんも「改善したり努力し続けても叶うかどうか、わからない」と心配は感じます。
それでも、社会人になってから先輩に教わった「心配より前進」の言葉を、素直に捉え、案ずるより産むが易しに捉えるように、自分に言い聞かせました。
きっちり実践し続けなければ、掴めないものがあることを、素直に受け止めました。
そこで、まずは「どうすれば時間を創れるか?」から始まり、少しずつでも学びと実践を重ね続けました。
ぬく太郎さんも、から太郎さん同様、目先のことは同じように背負っています。
ただ・・・
このように捉えて、地道に継続をしていました。
継続が明日を変えていくはずと信じて、行動を続けていました。
月日が経つのは早いもので、そうして半年ほどが経過しました。
半年ほど経った ある日の夕方
から太郎さんとぬく太郎さんは、一緒にお茶をしました。
ぬく太郎さんは、キョトンとした感覚です。
もちろん、言葉の意味ぐらいは知っています。
ただ、ぬく太郎さんは、モチベーション、やる気などの感覚ではなく、自分を活かして生きていくために、学びと実践が欠かせないと思っていました。
より自分を生きるためです。
そりゃ最初は、心配する気持ちや不安も感じつつ、学びと実践への時間を割くことへの苦しさも感じていました。
そうして、提出した企画書はダメ出しをされることも多いし、楽なことばかりではありません。
それが次第に少しずつ通用してくると「苦しいけど楽しい」に変わってきました。
必ずしも思ったように行かなくても、「取り組み続けること、それ自体が楽しい」に変わりました。
そうして継続していくことで、少しずつ見えていなかったものが見えてくる感覚、それ自体が楽しいのです。
何が足りなかったかも、少しずつ見えてきて、その先を思うとワクワクもしてきます。
こうしたことが半年も経って、すっかりココロの習慣になっていました。
続けていくうちに、いつしか・・・小さな一歩でも前進することが、イコール自分の感覚にすらなっていました。
ふと、から太郎さんに聴きたくなりましたが、なんとなく、ギャップを感じて口をつぐみました。
ぬく太郎さんが、そうして発する言葉を思い悩んでいると、から太郎さんは沈黙に耐えられないかのように、口を開きました。
ふたりとも机を並べて同じ研修を受けているのですから、言われていることも、当然、同じです。
ぬく太郎さんは、から太郎さんも同じような視点を持っていると思いこんでいただけに、キョトンとしてしまいます。
ふたりとも環境や背負っているもの、目先の現実には、そう大差はありません。
仕事での条件は、全て公平です。
ぬく太郎さんは、口にはしないまでも寂しい気持ちで思ってしまいました。
ぬく太郎さんは、から太郎さんに、一つ聴いてみました。
から太郎さんは止まることなく、言い訳を続けたい雰囲気を、かもしだしています。
ぬく太郎さんは、だんだんと、から太郎さんが同志とは思えなくなってきてしまい、切なくなりました。
もう学生時代のようなケンカにならないよう、今はこれ以上、聴かないほうが良い気にもなってきました。
影響を受けたくないと思ってしまったのと同時に、付き合いが長かっただけに寂しい気持ちでもあります。
でも、から太郎さんに、ストレートに言っても、意固地になって分かってもらえないのも知っていました。
そうして、「またね」と言って席を立った、ぬく太郎さん。
見送っていた、から太郎さんは予想もしていなかった差を感じて、寂しいことを思ってしまいました。
思えば思うほど、なんだか、その通りのような気がしてきます。
現実は、ぬく太郎さんは、特別扱いなど全くされていません。
ふたりとも、公平な条件の元にいます。
そうして、から太郎さんは、すでに他の人が実証済みのことでも、自己弁護の達人パワーを一人で発揮します。
「自分の思うことが事実」と歪めて捉えてしまい、事実と意見は違うなどとは思いもせず、時を漫然と過ごしていきました。
ここで言う「色々な視点」・・・。
これは、ほとんどの内容が色々な主観・思い込みでしかないのではないでしょうか?
から太郎さんは一人で思うほどに、やり切れなくなり、お金さえ出せばチヤホヤしてくれる繁華街に向かいました・・・。
もし、から太郎さんが、このあたりで真摯に軌道修正していたなら、後々、まるで追いつけなさそうに見えるほどの、大きな違いにまで広がることはなかったのかもしれません。
さらに ・・・ 半年が経ちました
ぬく太郎さんは、自他共に認められる、押しも押されぬ人気者になっていきました。
余計な演出や自己顕示などをしなくても、仕事や世間での評判もとてもよく、自然と前に進める毎日です。
目先のことが忙しい毎日であっても、心ある協力者も出てきました。
時間も創りやすくなってきて、自由度も高まってきています。
さらに、学びと実践、新しい取り組みも、より楽しんでワクワクと出来るようになってきました。
その流れの中で、から太郎さんとは立場も部署も変わり、お互い、顔を見ることも少なくなっていました。
ぬく太郎さんは、時が経つほどに、引く手あまたになってきて、飾らずとも暖かい輝きを放っています。
目元もとても柔らかく、自然と優しい笑みがこぼれ、口調もおだやかです。
ふと気がつけば、お金のことでもセコセコせずとも済むようになっていました。
本当に「自分を活きよう」と取り組み続けることが、ココロも、人間関係も、環境も・・・。
取り巻くもの全てを変えていけるという実感があります。
自ら掴んでいくための、自己責任感も当然のように強くあります。
から太郎さんは、そのウワサを耳にしても、あまり聴きたくなく、ぼっ~と遠巻きに見ているだけでした。
相変わらず、目先のことばかりに思考がとらわれる、せわしない毎日を過ごしています。
不平不満や悪口をこぼすことも増えてしまい、段々と人が寄ってこなくもなっています。
求めれば求めるほど、空回りしてしまい、ムキになるほどに、心にピュ~と秋風が吹きます。
心の力も出なくて、ますます、学びと実践からは遠ざかったりします。
天から降ってくる恵みを待つかのように、むなしく空を眺めてみたり・・・。
仕事で、うまく進まないことばかりで、「あわよくば」・「うまいこと」・「いいとこ取り」・「からめ手」のようなことばかり考えてしまいます。
お酒を飲むと悪酔いして酒癖も困ったもので、お店を出入り禁止になったりして、散々です。
しかも、飲み歩いてばかりで、ツケ払いにまでなっています。
可愛い子ども、家族がいるのに、生産性のないことで、いつも家計は火の車です。
グデグデ過ぎて、話ししていてもキャッチボールにならず、後輩を飲みに誘っても逃げられてしまいます。
から太郎さんの一方的なドッジボールばかりで、人とは疎遠となり、相手をしてくれるのは盛り場の女性だけです。
激しい悪酔いのメリットとしては、泥酔のあげく、自覚せずとも財布の風通しは良くなるそうです。
またまた、そんな、ある日・・・
ぬく太郎さんと、から太郎さんは、たまたま道でバッタリと出会いました。
ぬく太郎さんが、内心、締め付けられるように歩いていく背中を、ただ見送るだけの、から太郎さん。
不摂生な毎日で顔色も淀んでいて、笑顔もピクピクと・・・一体、どんな気持ちで見ていたのでしょうか?
そもそも類似点の多かった、ふたりに大きな差が出た違いとは、何だったのでしょうか?
環境でも能力でも、最初の立場やスタートでもなく・・・。
※ 本記事の内容はフィクションです。特定の個人を示すものではありません。
--アーノルド・パーマー
ー 本記事内のイラスト画像について
こちらに示されている利用規約にもとづき、著者に利用報告をさせていただいております。
© タイトル:『ブラックジャックによろしく』 著作者名: 佐藤秀峰
以下は、以前にも文末で記した内容の再掲です。
目的の達成のために時間を使う
『7つの習慣』で述べられている『時間管理のマトリクス』をご存じの方は、多いかと思います。
(詳しくは、以下の外部リンク先などをご覧ください)
もっとも重要なのは『第 II 領域』と言われております。
忙しくなっているときほど、忘れないようにしたいですね^^
ネイティブ・アメリカンの有名な言葉からー
「あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。だから、あなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい」
少しでも、このように生きたいね^^
~ 親愛なる娘へ
きみが生まれてきてくれた時のこと、思い出さない日は本当にないよ。
涙が出て止まらなかった、あの時…。
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