象は大きいけれど、とっても寂しがり屋

大きく敏感な耳をした象は、喧騒からそっと離れて鼻を丸めました。

そうして、いつもの池の畔に行って水を飲んで、オレンジ色の夕焼けを目を細めながら眺めていました。

遠くにあるようで近くにあるように感じられる空です。

象は近くに見える公園を眺めながら、自分より先に逝ってしまった、あの子を抱きしめていた感覚を、何度も反芻するように思い出していました。

その公園は、あの子と一緒に遊びに行ったり、普段から毎日のように一緒に眺めていた思い出の場所でした。

あの頃、それが、あの子をお見送りする場所にもなるとは思いもせずに…。

何よりも愛おしく抱きかかえて話しかけながら、穏やかに眺めていた日々を思い出さない日はありません。

いつまでも続くと思っていた、思いたかった日々。

今日も一緒に眺めようねと思っていた。

そんな季節外れの快晴の空の下で抱きかかえたあの子の身体から、突然、ガクガクと力が抜けて、呼吸が感じられなくなった日。

出逢ったのは冷たい大雨の夜だったけど、今度は清々しい天気の良い日で、暖かい陽射しの元だったね。

そうして眠るように横たわる、あの子が残してくれた清浄なメッセージを、心に身体に思い浮かべながら…。

あの子の最後の願いを込めた命懸けのメッセージ。

身体全体から醸し出して感じさせてくれた、柔らかく全身を包み込むように浴びせてくれた光を…。

声にならない、その声が象にははっきりと聴こえていて、今でもその耳から離れません。

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